今日は、令和7年度 第10問について解説します。
賃貸住宅管理業法に基づく業務管理者に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
① 賃貸住宅管理業者の営業所において業務管理者が2名選任されていたが、そのうち1名の業務管理者が退職した場合、新たに業務管理者を追加して選任するまでは、その営業所では新たな管理受託契約を締結することができない。
② 業務管理者は、入居者の居住の安定の確保等の観点から、賃貸住宅管理業者の従業員が行う管理業務等について必要な指導、管理及び監督の業務に従事する必要があり、宅地建物取引士の業務を兼務することはできない。
③ 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者を、業務管理者に選任することはできない。
④ 賃貸人から依頼を受けて200戸以上の賃貸住宅の維持保全を行っている実態があるものの、明示的に契約等の形式により委託を受けていない場合は業務管理者を選任する必要はない。
解説
業務管理者の選任に関する問題です。
それではさっそく選択肢を確認しましょう。
選択肢 ①
賃貸住宅管理業者の営業所において業務管理者が2名選任されていたが、そのうち1名の業務管理者が退職した場合、新たに業務管理者を追加して選任するまでは、その営業所では新たな管理受託契約を締結することができない。
×不適切です
賃貸住宅管理業者は、営業所または事務所ごとに、業務管理者を1人以上選任しなければなりません。
業務管理者は、法令上は営業所等に1人いれば違反にはなりません。
つまり、賃貸住宅管理業者の営業所において業務管理者が2名選任されていたが、そのうち1名の業務管理者が退職した場合、新たに業務管理者を追加して選任しなくても、その営業所では新たな管理受託契約を締結することができます。よってこの選択肢は不適切です。
選択肢 ②
業務管理者は、入居者の居住の安定の確保等の観点から、賃貸住宅管理業者の従業員が行う管理業務等について必要な指導、管理及び監督の業務に従事する必要があり、宅地建物取引士の業務を兼務することはできない。
×不適切です
1人が複数の営業所等の業務管理者を兼任することはできませんが、他の業務との兼務はできます。
たとえば、同一の人物がA支店とB支店の業務管理者を兼務することはできませんが、A支店内で業務管理者と宅地建物取引士を兼務することは違反にはなりません。
ただし、入居者の居住安定の確保等の観点から、賃貸住宅管理業者の従業員が行う管理業務等について必要な指導、管理、および監督の業務に従事できることが求められます。
つまり、業務管理者は、入居者の居住の安定の確保等の観点から、賃貸住宅管理業者の従業員が行う管理業務等について必要な指導、管理及び監督の業務に従事する必要がありますが、宅地建物取引士の業務を兼務することは違反にはなりません。よってこの選択肢は不適切です。
選択肢 ③
破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者を、業務管理者に選任することはできない。
〇適切です。
一定の賃貸住宅管理業者の登録拒否事由に該当する場合、業務管理者として選任することはできません。
破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者は、登録拒否事由に該当し、業務管理者として選任することはできません。
選択肢の説明通りですので、この選択肢は適切です。
選択肢 ④
賃貸人から依頼を受けて200戸以上の賃貸住宅の維持保全を行っている実態があるものの、明示的に契約等の形式により委託を受けていない場合は業務管理者を選任する必要はない。
×不適切です
貸主から明示的に契約等の形式で委託を受けているかどうかにかかわらず、貸主の依頼により維持保全を代行する実態があれば、委託を受けて行う業務ということになります。
そのため、200戸以上の賃貸住宅について、貸主から依頼を受けて維持保全を行っている場合は、賃貸住宅管理業者としての登録が必要となり、あわせて業務管理者を選任しなければなりません。
つまり、賃貸人から依頼を受けて200戸以上の賃貸住宅の維持保全を行っている実態がある場合、明示的に契約等の形式により委託を受けていない場合であっても業務管理者を選任する必要があります。よってこの選択肢は不適切です。
以上から、正解は選択肢③となります。
